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猫眼電影/Maoyan 娯楽市場が大きく成長中の中国における映画作品を含むチケットサービス 香港株式市場に上場 2018年は国内興行収入600億元を突破

中国では経済成長に伴い、娯楽領域での市場が拡大し続けています。本編では「映画」に着目し、同分野におけるインターネットプラットフォームについて、その2大サービスと、テンセント系「猫眼電影/Maoyan」の上場について解説します。

※本文中の金額は、1元=16.5円で計算。

▼「猫眼電影」でのプロモーション事例を紹介したエントリはこちら(クロスシー公式ブログ)

中国エンタメ窓口「猫眼電影」「格瓦拉(ゲバラ)」とは? オンラインチケットサービスの業界勢力図&現地でのプロモーション事例を紹介【セミナーレポート】

  

■成長する中国娯楽市場、根強い動画配信の人気の中、2019年春節は中国産映画のヒット作が話題に

まずは中国の娯楽市場の全体像を見てみましょう。2017年には1兆2,830億元(21 兆1,695億円)、2018年は1兆5,323億元(25兆2,829億円)、2022年までの毎年の成長率は20%を超えるというデータがあります。

こうした中、中国で人々に気軽に楽しまれている娯楽と言えば、映像作品です。テンセントビデオ(腾讯视频)やiQIYI(爱奇艺)、Youku(优酷网)といった動画配信プラットフォームが存在し、そこでは正規に版権を取得した映像作品も多く放映されています。中国では映画熱が高まっており、誓って釣内でも動画を視聴している人が半数以上という光景もよく見られます。動画を見やすいスクリーンサイズというのがスマホ購入時の指標となっています。

上記の3つのサービスだけでなく、様々なインターネットサービスが利用されています。国内外のドラマ作品や映画をオンラインで楽しむ人も多数いますが、特に今年2019年の春節期間は劇場での映画作品鑑賞に注目が集まったといえるでしょう。春節初日から公開されたSF映画『流浪地球』は、2月20日までの15日間で、興行収入40億元(660億円)を突破しました。SNSの口コミだけでなくメディアでも話題となっています。この作品は中国の映画業界の成長の一つの指標とも言われ、その成功の理由として中国産の映画作品のストーリーや映像の水準が以前と比べ非常に高くなったことも伝えられています。

▲猫眼電影の『流浪地球』作品トップページ、口コミは10点満点で平均9.3点と非常に高い評価を得ている。

■テンセント系オンラインチケットサービス、猫眼電影(Maoyan)の香港株式市場上場

さてこうした中で今後存在感を増していくとみられるのが「映画チケット入手のためのオンラインサービス」のプラットフォームです。

『流浪地球』の公開前日、旧暦新年の前日で大晦日にあたる2月4日、オンラインチケットサービスの「猫眼電影(Maoyan)」が香港株式市場に上場しました。猫眼電影は、映画作品の口コミの集積や作品鑑賞の座席の購入ができるサービスです。中国の大型上場案件として、小米(シャオミ)や美団(メイトゥアン)に続く上場ということで、今後の成長に国内外の期待が高まっています。上場時の時価総額は日本円にして約2,256億円となりました。

▼昨年9月の「小米/シャオミ」の上場についてまとめました(クロスシー公式ブログ)

株式上場で注目あつまるコスパよしの「小米シャオミ」はスマホだけじゃない幅広い商品ラインナップ ~ウェアラブルデバイス、スマート家電、ドローンそして2018年はVRゴーグル~

  

さまざまなオンラインサービスに「アリババ対テンセント」の構図が見られる中国インターネットの世界ですが、オンラインチケットサービスにも「アリババ系」そして「テンセント系」のサービスが存在します。

アリババ系は「淘票票/タオピャオピャオ」と呼ばれるサービスで、独立したアプリに加え、アプリのアリペイの中のメニューにも存在します。

そして、テンセント系のサービスが「猫眼電影/マオイエン」です。「淘票票」と同じく独立したアプリに加え、ユーザー数が昨年10億を突破した「微信/WeChat」の中にもメニューがあります。猫眼電影の株主にはテンセントだけでなく、デリバリーサービスやホテル予約といったO2O(オンラインとオフラインをつなぐサービス)で有名な美団(メイトゥアン)もその名を連ねています。

▲猫眼電影のロゴとサービスイメージ

テンセントそして美団の両者は中国全土に膨大な数のユーザーを有しており、彼らが猫眼電影を通じて情報収集やチケット購入をするため、猫眼電影のMAU(月間アクティブユーザー数)は1.3億にも達しまていす。

猫眼電影のサービスはオンラインの映画チケットサービス市場では65%という高い占有率を持ち、娯楽市場における主要プラットフォームとなっています。

猫眼電影の営業収入はこの数年で大きく成長しており、中国における娯楽市場の盛り上がりをうまく取り込んできたと言えるでしょう。

中国の劇場チケットの価格は場所により変動、猫眼電影はグッズ販売でも好調

中国では日本のように一律で映画作品の価格が定まっているわけではなく、作品や劇場によってチケット料金に違いがあります。またアプリによって同じ作品でも価格に違いがあります。

▲同一作品のチケット料金をWeChat内のミニプログラムから確認したもの。同じ北京市でも劇場によって価格が異なる。

猫眼電影ではグッズの販売を行うECサービスも行っており、2017年の売上は1.3億元(約21億4500万円)にも上ります。また猫眼電影ならびに淘票票のアプリは映画だけでなく、演劇やスポーツ観戦のチケットも同様に取り扱っています。

■まとめ ~多様化する中国人のライフスタイルの中で、映画の価値は上昇中。プラットフォームである猫眼電影をプロモーションの舞台に~

日本同様、中国でもライフスタイルの多様化が進んでいます。春節の里帰りにより、旧来の価値観で結婚をせかされる、出産をせかされることに疲労感を抱く90後(20代)や80後(30代)も少なくありません。そういったわずらわしさとは対照的に、「映画鑑賞」は休日の時間を有意義に過ごせるものとして確実に存在感を強めています。

今年の春節期間(大晦日にあたる2月4日から10日の7日間)ではのべ1.3億人が映画鑑賞をし、同期間の興行収入は58.44億元(964.26億円)にも達したそうです(国会電影局調べ)。またある調査では、90後では中国版紅白歌合戦とも言われる春節恒例のテレビ番組「春晩」よりも、「映画鑑賞」をした人の方が多くなりました。この世代にとって、映画鑑賞は新年の恒例行事ともなっていると言えるでしょう。

猫眼電影の上場は、中国の映画市場の成熟と、今後の成長を意味しています。当社のパートナー企業であるフラクタリストチャイナでは、本編で紹介した猫眼電影の広告枠を独占的に取り扱っており、そのプロモーション実績も豊富です。日本法人の場合は、当社を通じ広告出稿やさまざまなプロモーションの展開も可能となっています。中国全土でますます増える20代~30代を中心とする映画ファンは、今後中国の消費を担っていく層でもあります。このチャネルを利用しない手はないでしょう。

参考:

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1626044443066351311

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1625997331606713708

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1625341512505605696

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1625799079053942780

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1621790625432781353

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