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中国EC市場 2021年度の9大トレンド予測

2020年は新型コロナウイルスの影響を受けて、EC市場の加速度的に成長。ライブコマースや共同購入などが続伸した。今年の流れを受けて、来年の動きとして下記9つが予測されている。

  1. ライブコマース

    テレビショッピングの現代版としてアップデート。ブームのポイントとなったのは、下記3点。

    • KOLがフォロワーの興味関心が高いアイテムのセレクトすることで高CVRを実現。商品ジャンルも、ビューティー、ファッション、映画やホテルのチケットから自動車にいたるまで幅も広がった。

    • ブランドともタイアップすることで、価格優位性やプレゼント等の付加サービスも。また数量や期間を限定にすることで射幸性も高まった。

    • インタラクティブ性が高く、リアルタイムで交流したり、その場で抽選イベントを行ったりする等、エンターテイメント性を持たせた。


  2. KOC

    KOL(Key Opinion Leader)も依然として力を有しているものの、一般消費者代表としてのKOC(Key Opinion Consumer)が頭角を現している。KOLの投稿内容にはブランドタイアップの広告が含まれることも増えている一方、KOCの投稿は多くが実際の体験やリアルな口コミであることから、高CVRに繋がっている。

    例えば「完美日記」はこのKOCを大規模に活用することで、中国トップクラスのコスメブランドの仲間入りを果たした。KOLとKOCをバランスよく組み合わせることが求められている。


  3. ショートムービーEC

    昨年の時点で既にショートムービーユーザーは中国で8.2億人を突破。1日当たりの使用時間も伸長し、ユーザーの可処分時間を獲得。今、中国で最も勢いのあるサービスと言われており、ここからECに直結させる動きが21年も加速していくと見られる。今後の越境対応も含めて注目が集まる。


  4. 共同購入

    2015年の拼多多の登場以来、当初は中国の4~6級都市を中心にユーザー層が拡大。WeChat等で情報をシェアすることで価格を下げられることから、口コミが爆発的に増加。価格に敏感な消費者たちの囲い込みに成功している。

    現在、その範囲は2~3級都市にも拡大しつつあり、アリババやJD.comも共同購入機能を強化する等、しのぎが削られている。メーカーが在庫処分としても活用している一方、先月のW11では自動車が16分で1,000台売れたり、最近もロールスロイスも出品されたりする等、アイテムの高額化も図られている。


  5. ミニプログラム

    WeChatやアリペイ、美団も展開。大手ECプラットフォームに取って代わるというよりは、その補助チャネルとして使われることが多い。WeChat自社アカウントにフォロワーを囲い込み、記事配信して商品購買に繋げる、「プライベートトラフィック」を活用することが主流に。

    ARをはじめとする技術面も強化され、例えばアルマーニでは、スマホのカメラと連動して自分の顔に口紅を合わせられる機能も追加。WeChatでの口コミにも直結させることで、話題造成を計った。


  6. 物流の高速化

    アリババグループの物流会社「菜鳥」はIoTソリューションによるデジタル化を進め、2022年までに1億台のAI設備を導入しロボティクスによる管理システムを実現。10万カ所の中継局の他、物流設備や保税倉庫も増加することで配送速度をアップし、当日配送の割合が上昇。

    JD物流も北京に5G技術によるスマート物流パークを開設する等、競争も激化。迅速な配送による消費者満足度の向上が図られている。


  7. C2Mモデル

    C2M(Consumer to Manufacture)とは、消費者のニーズに合わせて、小ロットまたはオーダーメードで生産を行う手法。政府の掲げる政策「中国製造2025」の中の1つとして、推進されている。メーカーに変わり、顧客が中心となって主導していくスタイル。

    Tmall、JD、拼多多でもC2M商品が増加しており、市場規模は2020年に400億円に達すると見られる。スマホメーカー「nubia」のゲーム専用スマホ、電動歯ブラシブランド「ROAMAN」等がW11で売上を伸ばす等、成功事例も増加中。


  8. 垂直型EC

    TmallやJDといった幅広いジャンルの商品を取り扱う総合型ECに対し、垂直型ECはそれぞれの分野に特化したECサイトのことを指す。SNS機能も備え、特定ジャンルの口コミを集中的に蓄積していることも特徴の一つとされる。

    マッキンゼーのレポートでも、中国人消費者の2/3は垂直型のサイトから情報を取得した上で購買行動を取るともされている。例えば、ベビー用品の「Babytree」や女性向け輸入食品の「Gegejia」等が頭角を現しており、今後各ジャンルでの競争激化が予測される。


  9. 越境EC

    TmallによるKaolaの買収により、「中国EC市場最後のブルーオーシャン」とも呼ばれた越境EC市場の50%以上をアリババが掌握。ただし、Tmallではメーカーが出店をするモデルであるのに対し、Kaolaは海外メーカーからの買い取りモデルがメイン。これらを共存・発展させることで、消費者に更に多くの越境体験を提供するとしている。

    新型コロナウイルスで海外旅行が制限される中、越境ECにニーズが流入している。W11の国別ランキングでも日本が5年連続トップを獲得しており、チャンスが広がる。


2021年も引き続き、リアルタイム性がトレンドとなると見られ、ショートムービーやミニプログラムでもライブコマースの増加が予測される。5GやAR等の技術発展によるインタラクティブ性を含めた消費者体験の向上も求められており、垂直型ECや団体購入、越境ECによる機会創出、2級以下の都市へのアプローチにも期待が高まる。

クロスシーでは今後も中国マーケティングに関する最新情報を発信して参ります。上記に関する更に詳しい情報や、具体的な活用方法等に関しては、下記お問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。

 

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