訪日ラボの弊社連載第28回が公開されました! 2019年 春節トレンドは「カスタマイズプラン(私家団・私人定制)」と「ショートムービー映え(Douyinドウイン)」
インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」でのクロスシー連載第28回目が公開されました。
今回は2月上旬にあった大型連休、「春節」の過ごし方について、2019年の傾向をCtripのレポートから紹介しました。
■「深度遊」ブーム、日本旅行は自分たちのペースでのんびりが人気
同レポートでは、春節期間の旅行者は4億人、そのうち海外への旅行者は700万人と伝えています。旅行におけるコト消費への予算は増大しており、食事・宿泊・移動手段をワンランクアップさせる傾向がみられているといいます。 また春節期間も引き続き「私家団」「私人定制」と呼ばれる高品質で個人の融通をきかせやすい「カスタマイズプラン」が流行です。中国人旅行者に、現地をより深く理解したいというニーズがあることがうかがえます。
海外旅行者のうち、Ctripを通じて日本旅行に出かけた中国人は約5万人です。今年の春節期間の日本旅行の体験記を確認してみると、スケジュールをぎっしり詰めた旅行ではなく、家族でゆとりをもって、状況に合わせて当日の動きを決めるというような、柔軟に楽しむケースが散見されます。
中国国内の旅行でも科学技術や芸術品鑑賞への意識は高まっており、体験型やテーマ深堀型の旅行を意味する「深度遊」ブームの根底にはこういった意識があるといえるでしょう。
アニメ「名探偵コナン」の聖地巡礼や、お台場と銀座での買い物など、個人の趣味嗜好に合わせてのんびり滞在を楽しむケースも増えています。
■人気旅行先、タイとの勝負ポイントはビザの利便性とキャッシュレス
中国人観光客のが旅行先を検討する際、ビザ手続きの容易さは大きな魅力に映ります。現在、中国からの観光客に対しては、74か国がビザ免除あるいはアライバルビザを採用しています。
中国人の旅行先として、ここ数年日本をしのぐ人気となっているのが「タイ」です。3月上旬から中国各地で電子ビザ手続きを開始しています 。こういった施策でさらに多くの中国人がタイ旅行を検討することも考えられます。一方日本では、現在団体観光ビザと個人観光ビザの発給を行っていますが、いずれも旅行会社を通じた申請が必要です。また電子ビザは2020年より提供予定で、タイ旅行と比べると相対的に煩雑にとらえられる場合もあるでしょう。ただし、今年1月からはさらなる条件緩和も実施されており、これを機に日本旅行を検討し始める人もいたようです。
また、中国人の旅先での消費行動を後押しするのがAlipayやWeChat Payといったモバイル決済の利便性で、タイ旅行の人気にはこういった要素も影響しています。インバウンド対策ではモバイル決済の導入で消費者のニーズをとりこぼさないことも大切です。
■まとめ~中国的SNS映えで魅力を訴求、三級・四級都市の動向もチェック
中国人は旅行中もSNSに積極的に動画をアップしたり、コンテンツをチェックしたりする傾向があります。春節期間には、昨年からユーザーを拡大し続けるショートムービーアプリのDouyin (ドウイン海外版:TikTok)の利用が三級都市、四級都市(二級都市以下の経済規模、二級都市は大連、昆明など)で増加したと伝えられています。こういった地域は、海外でのモバイル決済利用が成長した地域でもあります。今後は三級都市、四級都市の流行にもキャッチアップしていくことが、訪日中国人をターゲットにしたPR戦略の効果的な差別化につながるでしょう。
連載第28回はこちらからご覧いただけます。本文もぜひご一読ください。
2019年 春節トレンドは「カスタマイズプラン(私家団・私人定制)」と「ショートムービー映え(Douyinドウイン)」
次回、第29回目の訪日ラボ連載は、3月18日(月)公開予定です。どうぞご期待ください。