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ジェトロ・大連事務所において、中国ECをテーマに講演しました【セミナーレポート】

2019年1月28日、ジェトロ・大連事務所での会員向けセミナーにて、「中国ECの主要プラットフォーム及びトレンドについて」をテーマに、当社執行役員の山本が講師として登壇いたしました。

当日は現地に進出している日系企業関係者約20名が参加、日本商品のインターネット展開について活発な議論がなされました。

セミナーの様子

当日は以下3つのトピックに沿ってお話ししました。

  1. Taobaoにおける施策。モール内検索エンジン型広告、アイテムサンプリングプロモーション、季節イベント連動型キャンペーン等。
  2. 中国EC成功事例。ECサイト整備、SNS(WeChat・Weibo)との連動およびCRM活用、KOLマーケティング。
  3. 最新トレンド。中国4~6級都市を中心に4億ユーザーを集めるECサイト拼多多、ライブコマース、Taobaoライブ、Douyin(ドウイン/抖音)でのショートムービーコマース。

Taobaoをモデルに、まずは中国におけるECサービスの存在感をデータから解説いたしました。また消費者のAISAS(認知獲得から購入、情報のシェアまでの意思決定)各段階における消費者への情報発信についても整理しています。

セミナーの後半では、中国におけるEC展開について、サイト整備・SNS連動・KOLプロモーションを絡めた事例を会場の皆さまに紹介いたしました。

■ECサービスのSNSとの接近、ターゲットに応じたプラットフォームの多様化でさらに消費が拡大

ここからはセミナーの資料から簡単に内容をサマライズしてご紹介します。

現在、中国での消費にECは欠かせません。インターネット利用者は昨年(2018年)の6月末の時点で8億人を突破した中国ですが、このうち71.0%のユーザーがECを利用し、インターネット上でその支払いを行っています。

こうした中、一大プラットフォームを作り上げたのがアリババのタオバオとTmall(天猫)です。タオバオはCtoC、TmallはBtoCのプラットフォームです。

このプラットフォームはその品揃えの豊富さと商品のコスパの良さから、ご存知のように広く支持を得ており、現在そのユーザー数は5億を超えると言われています。こうした中で商品をユーザーに見つけてもらい、そして購入までこぎつけるのは至難の業です。

この中で、ユーザーが プラットフォーム内で ほぼ必ず行う「検索」という行動に合わせて、自社の商品をプロモーションするシステムが「直通車」です。キーワードに合わせて、商品の広告が表示されますが、設定するキーワードがビッグワード(多く検索されているもの)であればあるほど、大きな予算が必要となってしまいます。この「直通車」を活用するには、地域の限定やキーワードの再設定といったテクニックが重要となってきます。この「直通車」を利用する出店社の商品は、プラットフォームが「おすすめ商品」として ユーザーにレコメンドすることもあるため、「出店」する場合には必須の機能となってくるでしょう。

またアリババのECプラットフォームには、ご存知の通り11月11日の「ダブル11」セールを始め折々にセールが開催され、セール期間の取引額の大きさは毎年目を見張るものがあります。2018年には2,135億元(約3.52兆円、1元=16.5円で換算)もの取引額が記録されました。

写真:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1616982852183117603&wfr=spider&for=pc

このように、中国国内でもはやECのセールイベントが年間行事として人々の意識に組み込まれているのです。

また、アリババの提供するサンプリングのサービス「阿里試用」を活用することで、商品に対しての口コミを獲得することが可能となります。これは、競争の激しいモール内で商品を手に取ってもらうためにも必須の手法といえます。

ライブコマースの高まりと「ショートムービーコマース」の始まり

EC利用が日常生活に広まる中で、商品の魅力をより深く、それを潜在的に必要とするユーザーに響くよう伝える試行錯誤が生まれています。その流れの一環で、昨年2018年には「ライブコマース」と呼ばれる手法が確立されました。

中国ではSNSとECの融合が進んでおり、中国版Twitterとして長くその名を知られているWeibo(微博)やWeiboと連動するライブアプリYizhibo(一直播)、そして昨年より注目度が急上昇しているRED(小紅書)にはその特徴が顕著に表れています。

これらは、動画や写真といったコンテンツで商品の魅力を訴求するだけでなく、コンテンツを視聴して購入意欲の高まったタイミングで、購買ページに直接遷移するUIが特徴です。

それぞれのSNSプラットドーム、ECプラットフォームによって、ユーザーが収集している情報の性質が異なり、これを意識したプロモーション企画が功を奏します。たとえばWeiboではブランド認知を高めるようなコンテンツを、REDでは購入を後押しするようなコンテンツを準備するといった戦略が考えられます。

SNSとECの接近という観点からは、特に昨年末に正式に提供開始された、ショートムービーアプリ「Douyin(ドウイン)」とアリババ系ECプラットフォームとのリンク機能は大きく注目を集めています。数十秒の動画がECでの商品販売を後押しする「ショートムービーコマース」という手法が新たに人々の消費生活に浸透してきています。 Douyin の成長と相まって、中国のEC利用をまた一つ上の段階に進めることも予想されます。

2018年に注目度アップのECサービス、今年は4級都市~6級都市の消費にも要注目

既存のプラットフォームの新化に加え、新興のECサイトも続々と現れは淘汰されていくのが中国社会です。昨年はその中でも、ニューヨーク株式市場に上場した「MOGU」(蘑菇)、そして急速にユーザーを拡大している「ピンドゥオドゥオ」(Pinduoduo、拼多多)の成長が目立ちました。

ピンドゥオドゥオは、共同購入による値下げ可能なシステムを採用しており、サービス開始の1年でユーザーは1億人超、さらに創業4年目の昨年2018年にはユーザー4億人に達したとのデータがあります。ECの王者タオバオの5億ユーザーとの距離を縮めつつあるといえるでしょう。昨年7月にはアメリカナスダック株式市場に上場を果たしています。

沿岸部の富裕層ではなく、内陸部を含む4~6級都市のユーザーの需要を取り込んだことがこの成長の秘訣であり、日系企業ではすでにパナソニックの商品展開が見られる等、中国市場における重要な消費チャネルとしての地位を確立しつつあるとみられます。

ピンドゥオドゥオ(Pinduoduo)に出店、出品する国内外の著名ブランド

■大連とは~中国東北地方、遼寧省の半島に位置する二級都市~

最後に大連について簡単にご紹介します。大連は中国東北三省の遼寧省、遼東半島の南端に位置する都市です。都市の階級では「二級都市」に分類されます。長く工業の都市として栄えており、近年では水素エネルギーの中核都市として研究開発の拠点が増えています。

大連の街並み

市内には大連周水子国際空港があり、東北地区最大の航空貨物運送基地であるだけでなく、 成田空港、関西国際空港を始め 日本の各地に直行便が就航しています。

▼都市区分に関して、江西省南昌市の様子と合わせて解説しています(クロスシー公式ブログ)

中国華東地区、地方都市のリアル ~江西省南昌市から二級都市の様子を知る/2018年10月~

当社では、今後も日中間の情報格差を埋めるべく、最新の中国インターネットマーケティングに関する情報発信、セミナー等を積極的に行ってまいります。セミナーの講師ご依頼や詳しいサービスのお問い合わせは、ぜひこちら(別ウィンドウで開きます)よりお声がけください。

参考:

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1616982852183117603&wfr=spider&for=pc 

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