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WeChatミニプログラムを開設するには?開発から運営までまとめ

前回は、WeChatミニプログラムについて、その基本的な使い方や、ユーザーの広まり、その市場優位性について整理しました。

日本国内の商業施設や店舗が、WeChatミニプログラムをPRや顧客へのサービスに活用したいと考える場合に、具体的にどのような手順を踏むことになるのでしょうか。

また、それぞれのフェーズで注意しなければいけないことは何でしょうか。整理したいと思います。

WeChatミニプログラム「開設」までのステップ

WeChatミニプログラムの開設まではおおむね以下の3つのステップが存在します。

  1. テンセントに「WeChatミニプログラムアカウント」の開設を申請。必要な情報を提出し、認証が完了すると、アカウントの開設が完了。
  2. WeChatミニプログラムを開発
  3. テンセントによる、WeChatミニプログラムの審査

審査に合格したWeChatミニプログラムが、WeChat上でリリースされます。 審査に合格しない場合、審査部門からのフィードバックがあり、これに基づき修正を加えます。

それぞれの段階で、中国側のプラットフォーマーへの申請とあり、日本とは異なる注意点が存在します。

1. WeChatミニプログラムアカウントの開設申請

アカウント開設の申請では、海外企業と中国企業では手続きが異なることをまず押さえておくべきでしょう。

中国でWeChatミニプログラムの申請に慣れた組織や人であっても、日本企業が申請の際に必要な事項を把握していなかったり、つまづきがちなポイントを理解していなかったりするケースもあります。

具体的に、中国企業の申請と海外企業の申請で異なるのは、申請の際選べる組織種別や、提出が必要な書類の詳細です。後者は海外企業がどこの国の企業かによっても異なってきます。

また、「運営管理者」についても申請しますが、この際求められる本人確認の方法にも違いがあります。

2. WeChatミニプログラムの開発と審査、フィードバックからの修正対

WeChatミニプログラムの開発については、現在ネットでも様々な情報が出ています。実際に、開発に取り組んでいる方もいるようです。

開発自体の難易度はそれほど高くはなく、JavaScriptとCSSを使って動的なウェブサイトを作成できる人であれば、開発自体はそれほど困難に感じないでしょう。ネックとなると考えられるのがWeChatのAPIに関する知識です。この部分で理解がない場合、開発が困難だったり、時間がかかってしったりしてしまうと考えられます。

審査については個別の案件、審査の担当者によりやり取りの分量にばらつきがあります。また、よりユーザーにとって使いやすいアプリケーションとなるようなアドバイスが来ることも珍しくありません。

審査に要する時間ですが、何の問題もない場合は半日~1日で審査は完了します。申請したタイミングの審査部門の混み具合にもよります。これまで当社が手掛けた案件では、結果の通知まで数日間を要したケースもあります。

3. リリースまでの最大の難関:中国語での「アプリケーション開発に関連する技術的な情報の伝達」

審査を経て、合格すればリリースに向けて最終準備に入れますが、上述のように、修正が必要な箇所についての指摘が入る場合もあります。

この際、中国語でアプリケーションの開発に関する技術的な情報伝達が行われます。こうした言語的なハードルの高さをクリアするには、中国語に慣れた人材が必要です。

WeChatミニプログラムの開設、2つの方式

WeChatミニプログラムの開設には、「公式アカウントと紐づける」場合と「WeChatミニプログラム単体」の2つのケースが考えられます。

どちらもWeChatを運営するテンセントに申請し承認されれば運用を開始できますが、前者の方が圧倒的に、マーケティングに有効活用できます。

1. WeChat公式アカウントからWeChatミニプログラムを開設する

公式アカウント(認証済)の管理画面から、ミニプログラムアカウントの開設を申請する方法です。

この場合、WeChat公式アカウントとWeChatミニプログラムは紐づけられることになります。

2. ミニプログラム単体でのリリース

公式アカウントは開設せず、WeChatミニプログラム単体でアプリケーションを公開します。

「WeChat公式アカウント」と連携するべき理由:「WeChatミニプログラム」にアプリストアはない

ユーザーがWeChatを利用するときの行動を考えれば、WeChatミニプログラムはWeChat公式アカウントに紐づけるべきです。WeChatユーザーが、WeChatミニプログラム「だけ」を検索窓で調べることは可能性としては低いと考えられます。

WeChatミニプログラムへユーザーを誘導するには、(1)WeChat内で広告出稿する、または (2) 「公式アカウント」による導線を作る、あるいは(3)QRコードをオフラインやウェブ上に掲出するという方法があります。

広告出稿を通じて、開発したミニプログラムの画面へダイレクトにユーザーを着地させることができます。こうしたやり方でユーザーにミニプログラムにリーチしてもらうことはできますが、反対に言えば、WeChat公式アカウントがない場合は、広告以外のルートからユーザーに発見される可能性は高くありません

現状、WeChatのミニプログラムが並ぶアプリストアは存在しません。ユーザーがWeChat公式アカウントに紐づけられていないWeChatミニプログラムにリーチするのは、広告がない場合は「指名検索」以外望めず、これもまた効率の良いやり方とは言えないでしょう。

WeChat運営で、覚えておくべきポイント:「WeChatミニプログラム」にはプッシュ通知は許可されていない

スマホアプリを開くタイミングの一つに、「プッシュ通知」があります。

実はWeChatミニプログラムによるユーザーへのプッシュ通知の発信には、かなり厳しい制約があります。

例えば、ユーザーのアクションから7日以内限定でなら可能といったルール、通知が許されたタイミングであっても配信する文面は文字数に上限のある定型文のみといった具合です。

このほか、いくつかの制約があり、基本的には「休眠ユーザーの掘り起こし」はできない制度設計となっています。

こうしたルールから見えてくるのは「情報発信は公式アカウントで」という、WeChatを開発・運営するテンセントの設計思想です。

WeChat公式アカウントが、WeChatミニプログラムの唯一の発信窓口

例えばWeChatミニプログラムの運用だけでは、その中に新機能を追加した際に、ユーザーに知らせる手段は現状ありません。

WeChatミニプログラムの新機能や注意点などは、WeChat公式アカウントを通じて通知するのが一般的です。WeChat公式アカウントは、WeChatミニプログラムにとって唯一存在するユーザーとのコミュニケーションチャンネルとなります。

WeChat公式アカウント内のコンテンツと、WeChatミニプログラムの関係

WeChat公式アカウントでは、サービスアカウント、購読アカウントともにフォロワーにテキストや写真、動画を配置したコンテンツを配信することができます。

こうした記事の中に、WeChatミニプログラムを起動させるリンクを設定することができます。

▲公式アカウントの配信記事中のミニプログラムのリンク(左)タップすると、ミニプログラムが起動する(右)

また、ミニプログラム内でも、関連付けた公式アカウントのフォローを促す手法もあります。WeChat公式アカウントと紐づくミニプログラムの場合、公式アカウントをフォローしていないミニプログラム利用者に対し、「公式アカウントをフォローしてください」とのメッセージを表示できます。

まとめ:WeChatミニプログラムは「目的」に応じて開発

WeChatミニプログラムをリリースするまで、いくつものやり方があります。中国の企業に依頼する、仲介してくれる日本企業を頼る、自力で開発・申請・リリースする方法もあるでしょう。

見てきたように、WeChatミニプログラムの開発と運営では、気を付けるべきことや、自社の商材とどのように関連付けるかなどの判断ポイントがあります。

WeChatミニプログラムには様々な機能を実装できます。まず「目的」そしてそれに合わせた「適切なサービスを設計できているか」を判断することが必要です。

当社は日本企業のためのアカウント開設手続きに慣れているだけでなく、 適切なサービスの設計に関するノウハウの蓄積、そして審査部門と中国語で技術的な情報のやり取りができる部署を有しています。

実務は中国語で進行し、進行状況についてしっかりと日本語で共有しますので、不明点をクリアにしながらリリースまでの各ステップを進められます。

WeChatミニプログラムの企画・開発・リリースをお考えの際は、ぜひ当社にご相談ください。(問合せフォームが開きます)

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