訪日ラボの弊社連載第35回が公開されました!6月18日に注目!「独身の日」だけじゃない中国のECセール「618」とは?仕掛け人の京東(ジンドン)と大手アリババ各社の動向を追う
インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」でのクロスシー連載第35回目が公開されました。
今回は 中国ECの一大セール「独身の日」にも匹敵するといわれる夏のセール「618」について解説します。
「618」とは6月18日のECサイト京東(ジンドン)の創業を記念して行われるEC上のセールです。
1998年の6月18日は京東(ジンドン/JD.com)創業者のリチャード・リウ(劉強東)が京東を創設した日です。京東は現在も記念日としてこの日を中心に、6月初旬から取り扱い商品の値下げや予約販売を開催しますが、ライバルのアリババ、そしてその他のECプラットフォームも積極的にこの名称を使い、セールを開催しています。
京東が2000年代から展開するECサイト「京東商城(JD.com)」の月間アクティブユーザーは、2018年には3億を突破しました。
京東では、ドローンや無人配送システムを使った物流効率の向上や、オンラインからの注文で生鮮食品を数十分~1時間程度で注文先に届ける「京東到家」といったサービスの展開で、ユーザーの満足度を高めています。こうした先端技術のECへの応用は、近年日本からも注目を集めています。
京東は、中国各地で需要の拡大している越境ECのサービスも展開しています。昨年秋にはサービス名称とイメージキャラクターを一新し、海外製品の取り扱いにさらに集中して取り組んでいくとみられます。
ジンドンのサービスはイメージキャラクターの白い犬とともに展開されてきましたが、このリニューアルにより越境ECのシンボルキャラクターは「いるか」になりました。海外製品を意味する「海囤」と「海豚」の音が同じためです。
昨年の6月1日~18日24時まで開催された「京東618」のセールでは、ユーザーの注文金額の累計は1,592億元(約2.55兆円)にも達しました。
2018年のダブルイレブン(11月11日を最終日として開催される数日間~2週間程度のセール)期間の主要ECサイトの取引額合計は、前年比23.8%増の3,143億元(約5兆円)でした。このうちアリババのECプラットフォームであるタオバオとTmall(天猫)の取引額は2,135億元(約3.4兆円)、京東は1,598億元(約2.56兆円)です。京東にとって618は、ダブルイレブンと同様巨額の取引が行われる期間と言えます。 (取引額はその後の返品も含まれるため、販売額とは一致しません)
今年の618期間に京東が打ち出すセール戦略については、ECサイトの京東商城(JD.com)に出店する90%の重要ブランドが、この期間に新商品を打ち出すということが報道されています。
生活家電、基礎化粧品や生活消耗品、ファッション、家具といった領域、そして 主要スマートフォンメーカーが、618期間に新製品の販売を開始します。またこうしたスマートフォンの新製品には、画面の割れに対応する保険の販売も行います。従来はなかったこうした保険により消費者の満足度向上と、新製品の購入の動機付けを図ります。
対するアリババは、オンライン(EC上)、オフライン(実店舗)双方でサンプリングの配布による販売促進を狙います。昨年から徐々にその配布地域を拡大しており、今年も引き続きこうした施策がとられていくようです。
中国で人気の消費チャネルであるECサイトの最新の販売戦略からは、訪日中国人に対する実効性のある訴求方法を探ることができるでしょう。
連載第35回はこちらからご覧いただけます。本文もぜひご一読ください。
6月18日に注目!「独身の日」だけじゃない中国のECセール「618」とは?仕掛け人の京東(ジンドン)と大手アリババ各社の動向を追う
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