元祖インフルエンサー「papiちゃん」が手がける『papitube』とは?/中国ではMCNの存在感が上昇中 訪日ラボの第18回が公開
インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」でのクロスシー連載第18回目が公開されました。
今回は2015年からネットにオリジナルの動画を公開しているpapiちゃん(中文:papi酱、酱はジャンの音で「ちゃん」を表す)と、中国のMCN「papitube」を例に中国のコンテンツマーケティングの最新事情を紹介しました。
中国のワンホンといえばこの人とも言われるpapiちゃん、本名:姜逸磊(JIANG Yilei)は上海出身、2016年に中央戯劇学院の大学院を卒業しました。在学中の2015年に、ネット上でオリジナルのムービーの公開しはじめ、2016年の2月にネット上にアップした「男性生存の法則」など複数の作品が注目を集めました。その年、1200万元(現在のレートで約2億400万元)の融資を獲得します。
大学院の卒業翌年にあたる2017年には、中国インターネット広報大使として、WWFの中国における広報大使の任命を受けており、世界的にもその影響力の大きさを認められていることがわかります。
中国のUGC/PUGC/PGCにおいては、彼女の作品のような、とるにたらないような話題を真剣に追求していく作品を「搞笑」というカテゴリとして扱い、現在も非常に人気です。
90後(90年代生まれ)のKOL「办公室小野」も、このカテゴリで活躍する女性です。会社のデスクで料理をするというハチャメチャな場面設定ですが、料理の完成度は高く、こういったちぐはぐさもファンをつかむ一因です。
※UGC(User Generated Content)=ユーザーによりつくられたコンテンツ
※PUGC(Professional User Generated Content)=完成度の高さや構成で大衆の目を引くコンテンツありながら(Professional)、その投稿者のキャラクターは一般人程度の特徴に抑えられており(User)、結果として視聴者から親近感が抱かれやすいという特徴がある。
現在、中国のインターネット上には、たくさんの有意義なコンテンツや、時間つぶしに適したコンテンツが存在しています。その中で、個人や一組織でSNSや動画配信サイトのアカウント運営を行い、フォロワーを増やし収益化するのは容易ではありません。
こういった状況の中で、コンテンツの制作・発信・拡散を通じてファンを獲得するためのサポートや、広告出稿その他収益化を図るための営業活動を組織として行うのがMCNです。昨今は中国のKOLランキングにおいて上位にランクインするアカウントは、どれもどこかしらのMCN傘下となっています。
papiちゃん(姜逸磊)は、2016年に共同事業運営者の楊銘氏とともにMCN「papitube」を立ち上げ、中国版TwitterであるWeiboはじめ、bilibili動画やショートムービーのプラットフォームなど複数のサービスで活動するインフルエンサー(ワンホン、KOL)をマネジメントしています。MCNの実力を左右するのはクリエイターの質とその布陣ですが、papitubeは現在中国で最も実力のあるMCN組織の一つです。
中国人観光客を対象とした場合も、上述のようなインターネットサービスは情報配信のプラットフォームとしてどれも重要なチャンネルです。2016年からMCNとして活動しているpapitubeの動向は、今後の中国におけるコンテンツマーケティングの行く先を知る大きな手がかりとなります。今後も要注目です。
連載第18回はこちらからご覧いただけます。本文もぜひご一読ください。
元祖インフルエンサー「papiちゃん」が手がけるコンテンツ制作のプロ集団『papitube』とは?/中国マーケティングではMCNの存在感が上昇中
次回訪日ラボ連載は10月15日(月)に更新予定です。どうぞご期待ください。