1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. Cross China Magazine
  4. TikTokをどこよりも詳しく解説! ユーザー層&人気コンテンツ&広告タイプ、2018年の中国でショートムービーははずせない!

ARTICLES

お役立ち情報

TikTokをどこよりも詳しく解説! ユーザー層&人気コンテンツ&広告タイプ、2018年の中国でショートムービーははずせない!

中国で昨年2017年から人気となっている「ショートムービー(短视频)」。その中でも「TikTok(抖音)」は、手軽にプロのMVのようなスタイルが表現でき、若者に人気です。

本編ではショートムービー業界の注目のサービスと、特にユーザー拡大の勢いがはなはだしいTikTokについて、メインユーザー像と人気コンテンツそして広告タイプまで徹底的に解説します。

▼TikTokがヒットしたきっかけや、本年4月時点でバズっていたコンテンツははこちらの記事に紹介しています(クロスシー公式ブログ)
ショートムービー元年到来! TikTokの人気コンテンツから見えてくる「短視頻映え」のコツ

■ショート―ムービーとは?

ショートムービーとは、ユーザーが撮影する15秒程度の動画のことです。コンテンツをアップ、視聴、コメントできるサービスが数々登場しています。

2018年8月現在、主なサービスには、ユーザー拡大の勢いが顕著なTikTok(抖音)、ユーザー数の多さが特徴の「快手」、ついひらいてしまう「微視」、瞬く間に普及した「Meipai(美拍)」、TikTokの競合である「火山」。どれも数億ユーザーを抱えています。

▲TikTokユーザーのメインページと、コンテンツの再生画面。

2020年までのショートムービー市場規模予測によれば、その伸びは非常に顕著です。2018年は2017年と比べ301.0%の成長、2019年も100%を超えています。またインターネットの利用がモバイルが主流である中国で、インターネット利用時間に占める「ショートムービー」の割合は、3月の7%から6月には9%に上昇したと報告されています(TikTokによる)

▼中国インターネットの利用状況について、2018年3月発表のデータを解説しました(クロスシー公式ブログ)
中国インターネット利用状況、2017年の統計結果! スマートテレビの普及と広がる「SNSの生態圏」、目的に合わせたプラットフォーム選定と動画で市場を制する

  • それぞれのショートムービーサービスはどう分類できる? 特徴とは?

ショートムービーは、重視している機能からいくつかのタイプに分類できます。

TikTok(抖音)はSNS機能に特化した動画配信プラットフォームであり、中国国内だけでなく、国外でも普及を拡大しています。主に日本、韓国、インド、ドイツ、ロシアなどで人気を集めており、今年7月にTikTokが初めて公表した世界のユーザー数は5億人を超えています。また、中国国内でのデイリーアクティブユーザーは1.5億人、月間アクティブユーザーは3億人に達することも同時に伝えられています。

■TikTokとは? ~基本情報、だれがどう楽しんでいる? バズるコンテンツの特徴とは

TikTokのキャッチコピーは「すてきな毎日を記録する(記録美好生活)」。音楽を入口に、ダンスや演出といったオリジナルの表現を用いたコンテンツの製作をユーザーに誘いかけます。「手軽に」「オリジナルの」作品を創出でき、TikTokの中で多くのユーザーとコミュニケーションを楽しめる点に、多くのユーザーが惹きつけられています。昨年11月には、ショートムービーで先陣を切っていた「快手」をAppStoreのダウンロードランキングで抜き、同ランキング1位に躍り出ました。

  • TikTokは誰に人気?

TikTokは一言で言ってしまえば、若者に人気です。中国では以下のような人々がメインユーザーです。

・ユーザーの80%が90後(28歳以下)
・サービス上で活躍するKOL(インフルエンサー)は95後(~23歳)、00後(~18歳)が主力
・男女比=4:6
・70%以上が一級都市と二級都市に居住。経済発展した環境。
※以上すべて、アクティブなユーザーを対象に集計

  •  TikTokは投稿しなくても楽しい!? UIを解説

実際にユーザーはどのようにアプリを操作し、どんな画面から自分の好きなコンテンツを探し出すのでしょうか? Tik  Tokのアプリ立ち上げ時は、おすすめの動画が再生されますが、その画面から「フォロー中のアカウントの投稿」「新着コンテンツ」をワンタップで表示させることができます。

コンテンツの視聴画面では「いいね」「コメント」「転送」「参加」の機能が利用できます。

▲上から順に、「アカウントのフォロー」「お気に入り」「コメント」「転送」「参加」

「転送」からはfacebookやツイッターといった他のSNS上でのシェアができます。

「参加」をタップすれば、そこで使われている音楽または動画コンテンツそのものと組み合わせて、自分のコンテンツ(ショートムービー)を作成することができます。「参加」をタップすると、まずはその曲が利用されているコンテンツが表示されます。

▲上部に楽曲の情報が、下部にその曲を用いて作られたコンテンツが並ぶ

自分で動画を投稿することだけでなく、お気に入りに登録やおすすめ動画、好きな楽曲を用いたコンテンツの視聴だけでも気軽に楽しむこともできるのです。

  •  TikTokのKOLとバズるコンテンツの特徴とは

TikTokでバズった(多くのユーザーにより拡散された)動画の例はすでにいくつもあります。それら「バズったコンテンツ」の特徴は「簡単な身体表現/ダンス」に「さまざまな表情」を組み合わせていることです。

ここで重要なのは、この二つの要素が組み合わさっていれば、どういったユーザーが発信してもバズるのかどうか、という点です。実は、一口に「ダンスと表情の組み合わせ」といっても、KOLごとにそれぞれ重点とするポイントは異なっています。「身体表現」にこだわりのあるもの、「耳に残る音楽と独特の表情」、「ついつい真似してしまう音楽」、「自虐」など。コンテンツがバズるためには、メッセージやターゲット層とかい離しないテイストのKOLを起用することが重要になってきます。そして、さまざまなテイストで若者に訴求できるのがTikTokの特徴です。

▲TikTok媒体資料より、サービス上で活躍するKOLたち

TikTok上でのムーブメントの広がりの規模は非常に大きく、流行の発端となる1つのショートムービー(オリジナルのコンテンツ)が10億回以上再生されたケース、コンテンツが50万人以上のユーザーにより模倣され拡散されたケースも存在します。

■TikTok ~広告のタイプ、フィード広告でフォロワー獲得のチャンス! 使いたくなる「ステッカー」も露出拡大にお役立ち

さて最後にTikTokで出稿可能な広告の形態を見てみましょう。

  •  広告の種類

主に以下の5種類の出稿形式が設定されています。

  1. ディスプレイアド
  2.  フィード広告(出稿/ネイティブアド)
  3.  KOLとのコラボ
  4. ステッカー
  5. TikTokキャンペーン

それぞれ簡単に解説します。

1.ディスプレイアド

アプリの立ち上げ時に表示されるもの。ユーザーのアプリ立ち上げ回数は日に1~4回程度。

2.フィード広告(タイアップ/ネイティブアド)

配信する動画上に、文字を出現させ、ソーシャル機能(いいねやコメント)のメニュー付近にアイコンを配置し、コメント欄に文章を表示させるといった形で、それらを操作したユーザーをランディングページに遷移させます。

▲フィード広告のイメージ

これらの広告は、年齢・性別・居住地域といった属性で配信先を調整できます。タイアップ広告の場合には、Tik Tokにアカウントを所有していなくとも出稿可能です。

またアカウントを持ったユーザーの場合は「ネイティブアド」形式で出稿が可能となります。フィード広告と異なり、「いいね」「コメント」「転送」の機能が利用でき、フォロワー数の増加も期待できます。

過去に2種類のネイティブアドをアップロードした女性用日用品メーカーでは、2日間の放映で再生回数約1,600万回、「いいね」は約30万回、転送5,700回以上、コメントも同程度(5,700回以上)という結果になっています。消費財は多くのユーザーの関心を集めるものではあるものの、Tik Tok上でユーザーの閲覧、エンゲージメントを引き起こす理由は動画コンテンツの質の高さにあり、ユーザーの共感を引き起こすのに成功したからこその記録といえるでしょう。

過去に2種類のネイティブアドをアップロードした女性用日用品メーカーでは、2日間の放映で再生回数約1,600万回、「いいね」は約30万回、転送5,700回以上、コメントも同程度(5,700回以上)という結果になっています。消費財は多くのユーザーの関心を集めるものではあるものの、Tik Tok上でユーザーの閲覧、エンゲージメントを引き起こす理由は動画コンテンツの質の高さにあり、ユーザーの共感を引き起こすのに成功したからこその記録といえるでしょう。

3.KOLとのコラボ

日本でもメジャーなインフルエンサーマーケティングは、Tik Tok上でも展開されています。

Tik Tokでは、100万以上のフォロワーを有する複数のKOLが活躍しています。性別やバックグラウンドなど様々なKOLが活躍しているので、多種多様な広告主の需要に合致する一人がみつかります。これまでに、女性向けのファッション用品のKOLコラボ動画で再生回数は360万回以上、「いいね」数が12万という実例があります。

4.ステッカー

ショートムービーを制作する際に利用できるステッカーを広告主がデザインする形式です。ステッカーは4つのタイプに分かれ、通常バージョン、動きがあるバージョン、動画の前面バージョン、背景バージョンが存在します。

出稿したステッカーは通常7日間、ステッカーの一覧に追加され、頭3日間はステッカー一覧の並び4か所目に現れます。後半4日間は一覧の後方に移動します。複数のステッカーを出稿する場合には、週に一度、異なるデザインのものに入れ替えが行われます。

▲出稿されたステッカーの利用例

大手デリバリーフードの出稿したステッカーは、6万1500回以上利用され、これらの入った動画は合計で480万回以上再生されています。

5.Tik Tokキャンペーン

Tik Tok内部のさまざまな側面から、ありとあらゆる施策を用いて自社プロダクトを訴求する形式です。ハッシュタグの設定、動画の埋め込み、アプリ立ち上げ画面やバナーの出稿、「おすすめ動画」、プッシュ通知、KOLによる拡散、ステッカー、オリジナル楽曲の設定などを通じ、Tik Tokユーザーに商品やテーマを浸透させます。

■まとめ ~消費者コミュニケーションのための主要ツール、インバウンドへの応用は待ったなし

たった15秒のコンテンツながら、伝える情報量が多いのが動画の特徴です。気軽に楽しめるショートムービーを通じて、ユーザーは楽しみながらコンテンツの作り手のメッセージを日々受け取っています。

引き続き、こういったショートムービーサービス全体の盛り上がりが続きそうです。中国向けのプロモーション活動においては、この機を逃さず、さらにはそれぞれのショートムービーサービスによって、主流となるコンテンツに特徴がある(ゲーム、エンタメ、ファッションなど)ということを踏まえて利用することがポイントとなってくることでしょう。

本編で取り上げたTik Tokには一級都市、二級都市といった経済力のある地域に住む、消費の主力となる若者へのリーチが可能であり、2018年夏現在、中国で知名度の高いブランドの多くがTik Tok経由で情報拡散やファンの獲得を行っています。Tik Tokはすでに消費者コミュニケーションのための主要なツールです。インバウンドという視点からは、旅行ファンに対する日本への理解促進に、これを活用しない手はないでしょう。

関連記事

お役立ち情報