国慶節は財布を持たずに旅行へ!? 日本でも普及が進むWeChatペイメント
■財布を開かない生活
「もう3ヶ月も財布を開いていない」というのは、北京の20代OLの言葉です。「レストランでの食事、コンビニでの買い物、タクシー代、携帯代、水道代、電気代、など全てWeChatペイメントです。」日本で言えば、LINEにスイカ機能が付き、クレジットカードや銀行引き落としのものも全てまかなっているイメージです。そして、中国国内の旅行ではもちろんのこと、日本での支払いにもWeChatペイメントが使われるようになってきています。
■キャッシュレスの旅行
旅行に行く際にも、航空券もホテルも電車代も買い物代も全てWeChatで支払い、財布なしで旅行ができる時代が到来。ガソリン、高速代、観光地のチケットの支払いなども含め、今年10月の国慶節期間中にはWeChatペイメントの使用件数が通常時の20倍にもなりました。男女比では女性が68.7%となっており、買い物に使っているユーザーが多いことが見て取れます。
そして、このキャッシュレス旅行の波は海外旅行にも波及。香港台湾をはじめ、韓国、タイ、オーストラリア、そして、日本も含め11の国と地域で対応が進んでいます。もちろん全て財布なしでというわけにはいきませんが、対応する店舗が増えてきています。中国では、海外旅行に行く人が既に1億人を突破。この中国人観光客を誘致する手法としても使われるようになってきています。
■スマホペイメントユーザー
現在このスマホ決済を行うユーザーは、中国国内で急増中。ここ半年間で18.7%増加して4.24億人にまで到達しています。WeChatペイメント同様、アリペイでの支払い件数も大幅に増加中。中国国内のみならず、海外店舗への導入についても、この2つのサービスが競いながらスマホ決済の市場を拡大させています。
■今後の展望
例えば、日本人が海外に行った際にも、地下鉄でそのままスイカが使えれば、切符を買う煩雑な手間が省けます。インバウンド市場では、日本を訪問する外国人のうちの中間圏からが約半数を占め、そして旅行消費額も約6割を占めるほどになっています。日本の店舗でも、WeChatペイメントやアリペイが使えれば、利便性および安心感の向上にも繋がり、それが「おもてなし」となります。つまり中国人観光客を呼び込むための一つの大きな差別化にもなるのです。