大衆点評、6億ユーザーの中国版「食べログ」!一蘭に行列ができるワケ
中国人がレストランを探す際に最もよく使うアプリ「大衆点評(Dianping)」。そのグローバルO2O戦略が、日本のインバウンドマーケティングに大きな影響を与えています。
本記事の内容
・6億ユーザーを抱える大衆点評って
・そのグローバルO2O戦略
・一蘭と蟹道楽の行列
・インバウンド徹底活用術
■6億人、2000万店舗が使う中国版「食べログ」
中国のインターネット黎明期より飲食情報サイト業界をリードしてきた「大衆点評」。テンセントグループが出資したことにより、WeChat内のメニューにも組み込まれることになりました。日本で言えば、LINEの中に食べログが組み込まれているイメージで、非常に利便性が高くなっています。クーポンを配布したり、LBSを活用して情報配信をしたりする等、O2O的に使われることも多くなっています。現在のユーザー数は6億人、中国全土2500の都市をカバーし、登録店舗数は2000万に上ります。
(WeChatのウォレットの中にデフォルトで入っている)
■大衆点評のグローバルO2O戦略
そのサービス範囲は、中国国内のみならず、日本、フランス、オーストラリア、韓国など、200以上の国と地域に、そして860以上の都市にまで拡大しています。各地のミシュラン店舗情報も掲載しており、人気コンテンツとなっています。中国人が海外旅行に行き、そこでこの「大衆点評」を使ってレストランを探すことも少なくありません。LBS機能と連動して、その地域の店舗情報が表示されるため、中国人観光客にとってかゆいところに手の届くサービスとなっています。
(LBSにより東京ページが開く)
■一蘭と蟹道楽に中国人が殺到
その一方で、日本のレストランの登録件数はまだ多くありません。例えば、「ラーメン」と検索すると、トップページの上位を「一蘭」が独占。1位から7位まで、一蘭の新宿店・新橋店・浅草店等と続きます。また同様に「蟹」と検索すると、上位10件中、7件が「蟹道楽」となっています。まだまだ登録されている情報に偏りがあり、一部の店舗が先行者利益を享受している状態です。
(ラーメンと検索すると、ファーストビューは全て一蘭)
■インバウンド徹底活用術
逆にこれをチャンスとも捉え、情報を登録し始めているインバウンド事業者も増えています。今後は単に登録しただけでは情報が埋もれてしまい、なかなか見られないという状態となります。そこで考えられるのが、ビジネスアカウントの取得・クーポン配布・アプリ内リスティングの実施といった「大衆点評」内の様々なツールを駆使することです。このブルーオーシャンを切り開いた店舗こそが、第2・第3の「一蘭」や「蟹道楽」となっていくのです。