「Alipay」「WeChat Pay」のシェアは?キャッシュレス決済先進国中国の二大アプリ最新2019年Q2レポートを紹介:訪日ラボの弊社連載第40回が公開
最近では中国を「キャッシュレス決済」先進国として認知する日本人も増えてきました。
中国で普及する二大スマホ決済サービスはAlipayとWeChat Payです。日本の店舗でもインバウンドの需要取り込みを狙い、それぞれの決済に対応する動きが目立ちます。
それぞれの特徴や2019年第2四半期における市場シェアについて解説します。
■AlipayとWeChat Payの違い
Alipayは中国語名称を「支付宝」(ジーフーバオ)といい、ECモール「Taobao」や「Tmall」で知られるアリババグループのアントフィナンシャルが運営しています。
青い「支」のアイコンが目印ですが、昨今は日本の各種コンビニやドラッグストア、空港の免税店等でもよく見かけるようになりました。2004年の12月にサービス提供を開始し、今年の1月にユーザー数が10億を突破したことを発表しました。
WeChatは中国版LINEと呼ばれるメッセージングアプリで、昨年ユーザー数が10億を超えたことが発表されています。このWeChatにはLINEのように支払い機能が付帯しています。「WeChat Pay」(微信支付)の名称で、LINE Payよりもかなり早い2013年の夏にサービスを開始しています。
■AlipayとWeChat Payは、どちらがよく使われているのか
中国のリサーチ機関iResearchが10月15日に発表した「2019年第2四半期中国第三者決済データ」では、2019年4月~6月のモバイルペイメント(スマホ決済)の市場規模が紹介されています。
その規模は55兆元(約858兆円)で、前年同期比22%増となりました。増加スピードは徐々に減速していることも合わせて伝えられています。
その中での各ブランドごとの取引額シェアを見てみると、Alipayが54.2%で市場1位、続くWeChat Payを含む财付通(財付通)が39.5%で市場2位です。両者で市場のほとんどを占めていることがわかります。
※财付通(財付通)はWeChatを運営するテンセントが展開する、第三者決済プラットフォーム
中国のスマホ決済市場では、この他にも複数のブランドが存在しており、これらによる支払いを受け付ける小売店なども少なくありません。ただし、シェアを見ればわかる通り、AlipayとWeChat Payが市場をほぼ二分しており、両方ともスマホに入れてシーンによって使い分けているというユーザーがほとんどです。
AlipayもWeChatも、支払いを軸とした多領域へのサービス展開を通じてユーザーの囲い込みに成功しています。こうした点からも、中国におけるスマホ決済の二強時代はまだしばらく続くと考えられるでしょう。
「訪日ラボ」の連載第40回でも掲載しています。こちらもぜひご一読ください。
キャッシュレス決済先進国中国、二大アプリ「Alipay」「WeChat Pay」のシェアは?最新2019年Q2レポートを紹介