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小米 シャオミ 株式上場でコスパに注目あつまる スマホだけじゃない幅広い商品ラインナップ ~ウェアラブルデバイス、スマート家電、ドローンそして2018年はVRゴーグル~

今月9日に香港株式市場に上場した中国のIT企業「小米」(シャオミ)。目標調達額は日本円で1兆円でしたが、実際には5,200億円にとどまり、目標に達しなかったことが各メディアで報じられました。

▲シャオミのブランドサイトトップページ(2018年7月)

こういった報道の中で「中国のスマートホンメーカー」や「中国のスマホ大手」と形容されるシャオミですが、実際にはどんな商品を取り扱っているのでしょうか。本編では上場前からビリオネアであったCEOのレイ・ジュン(雷軍)の経歴を含む企業の略歴やこれまでのスマホ出荷台数などの実績、実際の店舗の様子や商品のラインナップ、現地生活者のブランドに対するイメージを紹介します。

参考:小米が香港上場 中国スマホ大手、5200億円調達 (日本経済新聞)

■小米のスマホは出荷台数世界TOP5 ~キングソフト会長やYYのCEOも兼任するレイ・ジュン、北京市に本社~

小米(以下、シャオミと表記)は2010年4月、北京にて創業しています。北京大学や清華大学のある海テイ区に本社を構えます。CEOであるレイ・ジュンは今年49歳、中国のアプリケーションソフト会社でシャオミと同じく香港株式市場に上場しているキングソフトの創業メンバーでしたが、その後CEOを経て会長に就任しました。同社とシャオミのほか、ジーボー(直播:ライブ動画)で成功を収めたYY(ナスダック上場)のCEOも兼任しています。レイ・ジュンのWeiboのフォロワーは現在1,728万となっています(2018年7月11日現在)

▼Weiboについてはこちらをご覧ください(クロスシー公式ブログ)
Weibo(微博/ウェイボー)とは? 最新情報・基本情報・公式アカウントの活用方法すべて教えます!

小米は「しゃおみ」と発音し、英字表記は「Xiaomi」でブランドロゴは「Mi」です。「Mi」には「Mobile Internet」や「Mission Impossible」など複数の意味が込められているそうです。

2014年以降、動画配信プラットフォームのiQIYI(爱奇艺/今年3月にナスダックに上場)に出資したり、中国で家電シェアトップのMedia(美的)やテンセント、マイクロソフトと戦略的提携を結んだりしながら、2014年は前年比227%増加の6,112万代のスマホを販売し、その販売金額743億元は中国市場のトップとなりました。2015年の販売台数も7,000万台超を記録しましたが、2016年以降その勢いは一度弱まります。

翌年の2017年からまたシャオミのスマホ事業は好調に転じます。2017年の世界における出荷台数ランキングは、1位サムスン、2位Apple、3位HUAWEI、4位OPPOそして5位にシャオミという結果に終わったものの、今年2018年第一季ではOPPOとの順位を逆転させ4位に上昇。同期間の市場シェアは、シャオミはの前年同期比129%となっており、HUAWEIの14%、Appleの3%とも大きく差をつけています。

参考:シャオミ公式サイト(AboutUs)
北京小米科技有限责任公司(百度)
雷军上市前收大礼!Q1全球手机市场份额出炉:小米疯涨129%

■スタイリッシュな実店舗、ノートPC・家電・ドローン・今年2018年はfacebook傘下のOculusと共同でVRゴーグルを販売開始

中国各地のショッピングモールでは、シャオミの実店舗を簡単に見つけることができます。一目でそれとわかるオレンジ色のロゴをかかげた、アップルストアのようなスタイリッシュさを感じさせる店舗です。

▲とあるシャオミの実店舗入り口

店舗に入るとわかりますが、シャオミではスマホだけでなく、PC、パソコン用品、360度カメラ、ウェアラブルデバイスやヘルスケア商品、ロボット掃除機のようなスマート家電、雑貨そしてドローン、VRゴーグルまで幅広く商品を展開しています。

店内の広告。スマホのカメラの性能の良さをうたっている。
炊飯器など家電
アクセサリ類とアンドロイドTVセットボックスのMiBox

またシャオミのスマートリストバンドはAmazon始めECを通じて購入することができ、数年前から日本でも愛用者を見かけます。

本年2018年初頭にはVRゴーグルのOculus(2014年にfacebookが買収)との提携が発表されました。シャオミの製品MiVRとOculusの製品OculusGOは実質同じ製品ですが、OculusGOの発売後には日本のTwitterでもその興奮が共有されています。

参考:小米与Oculus联合推出VR一体机 2018CES首发

■「コスパがいい」スマホブランドからIoTブランドへ これからのサービス展開にも注目

シャオミのスマホには「小米」シリーズと、廉価な「紅米」シリーズのがあります。紅米の599元(約1万円)から小米の3,000元(51,000円)を超えるのものまで、価格帯も幅広く展開しています。中国人消費者にシャオミのスマホの評価を尋ねると「コスパがよい」という返答をもらうことも少なくありません。

実際に2018年5月の「スマホ販売金額別、コスパランキング」ではシャオミは999元以下の部で首位と二位を獲得したものの、その他の価格帯では後塵を拝しています。デザインや機能は最高ではないけれども気軽に買うことのできる商品として、あるいは可処分所得のまだ比較的低い層に手に取られているのかもしれません。

また同調査の最高の階層となる3,000元以上のカテゴリで、シャオミの「小米MIX2S」のコスパの良さは2位にランクインしています。アップルの製品のように「所有していること」のもたらすステイタスは手に入らないかもしれないけれども、デザインも機能もまったく劣らない、あるいはそれ以上と考えているユーザーもいるのかもしれません。

見てきたようにスマホやPCだけでなく、スマート家電、ドローン、そしてVRゴーグルまで販売するシャオミですが、その事業は現状スマホが70%、スマート機器が20%、インターネットサービスが10%という比率になっています。

中国国内のスマホ市場は飽和してきているとの見方もあります。オリジナルの第三者決済やチャットツールも提供しているシャオミの今後の成長は、スマホの海外展開やそれ以外の事業とリンクしていきそうです。

参考:曾经的性价比之王小米,为何从神坛滑落
谈一谈小米的估值问题

※本文では1元=17円にて換算

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