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Douyin(抖音/ドウイン)とは 中国版TikTok 2021年 最新情報

中国で1日6億人が使うショートムービーアプリ「Douyin(抖音/ドウイン)」について基本情報と最新の動きをまとめてみました。Douyinについての概要を知りたい方、ビジネスでの活用イメージをつかみたい方向けの記事です。

目次

中国ショートムービープラットフォーム「Douyin」とは

「Douyin(抖音/ドウイン)」は中国版TikTokとも呼ばれるはショートムービーSNSですが、実は中国が本家となっています。北京に本社を構えるバイトダンス社(北京字節跳動科技有限公司)が、2016年9月にリリースしていて、その海外版が「TikTok」です。機能は類似しているものの建付けとしては完全に別のアプリとなっており、これが日本やその他の海外各国に展開されているのです。

ユーザー層は?

日本では高校生・大学生などの若者がよく使っている印象がありますが、中国では幅広い年齢層に使われています。例えば、日本では孫の写真が見たい時には、以前はよく「写メ送って」と依頼されていましたが、中国では「Douyin送って」となっています。動画の方が、表情や動きも見られるなど情報量も多くて楽しめ、15~30秒などの動画は5Gも普及し始めている今、アップロードや視聴もスムーズになっているためです。

ユーザーの男女比もほぼ均等で、DAU(デイリーアクティブユーザー)も6億人を突破。主に都市部をメインに広がりを見せています。ショートムービーアプリのライバルとされる「快手(Kwai)」は、地方都市や農村地域などでよく使われています。それと比較して、Douyinは北京・上海等の一級都市や、大連・アモイ等の二級都市を中心に広がっており、おしゃれなライフスタイルがよく投稿されるようになっています。

SNSとしての特徴は?

これまでのSNSは、人と人とが繋がるのが主目的とされてきました。例えば、Facebookによって長年連絡を取っていなかった昔の同級生と再度繋がれたという話もよく聞かれていました。ただ、その一方でタイムラインを見てみると、特に興味がないランチの写真などが並ぶという状況も発生。その点、Douyinは人ではなく、コンテンツによって繋がるSNSとされています。つまり、自分がよく見ていたり、いいねをしたりするコンテンツのジャンルがAIによって分析され、それに基づいて興味がありそうな動画が自動的に次々に再生されるという仕組みです。これにより、寝不足となるユーザーが続出し、社会問題にもなるほどの状況となりました。

よく見られているコンテンツは?

よく見られているコンテンツも世代によって異なり、例えば、80後(80年代生まれ)ではトラベル、90後(90年代生まれ)ではショッピング、00後(2000年代生まれ)ではペット動画が人気となっています。ショッピングについても、例えば30秒動画が再生されている横にショッピングカートが付くショートムービーコマースの他、今中国で最も盛り上がっている販売手法の1つ、ライブコマースも頻繁に実施されています。

Douyinビジネス活用法

DAUで6億人を抱えるSNSということで、当然ビジネスでの活用も進んできています。WeiboやWeChat等と同様に、企業や自治体が公式アカウントを開設。昨年公開されたDouyin白書の中でも、公式アカウントの数が急増しており、1年前と比べて5倍に成長して500万を突破したともされていました。中国でB2Cのビジネスを展開する上では、Douyinに公式アカウントを開設するのはもはや当たり前という状況になりつつあるのです。

どんなコンテンツが配信されているの?

では企業アカウントがどういったコンテンツを配信しているのか。主に3つのパターンがあるとされています。

  1. CM

    広告色が強い動画でも、デザイン性やクリエイティブ性が高ければ、ユーザーの人気が得られるという状況が生まれています。

  2. ストーリー

    テーマを決めた上でシリーズ動画を制作。例えば、化粧品メーカーであれば、女性目線でのストーリー性のあるテーマを策定し、ショートムービーで話が進んでいく形式のものもウケています。

  3. トレンド

    Douyinの中でも今話題になっているトピックが検索可能。それらに合わせた動画を作成することで、トラフィックが集まりやすくなっています。

一般的には縦型の動画が推奨されていますが、なかなか縦型の動画がないという声もよく聞きます。ただ、横型のものでも配信も可能、かつユーザーにも違和感なく見られています。横型の動画を縦に3つ同じものを並べる「トリプルスクリーン」という手法を使うのも一手です。

配信だけしていればいいの?

公式アカウントが急増している中で、単に動画を投稿しているだけでは、やはりフォロワー数や閲覧数は伸びにくいのが現状。KOLや一般ユーザーも巻き込んで行われる参加型キャンペーン「全民任務」、起動時にフルスクリーンで表示される「Top View広告」、ECへの遷移も可能な半成果型広告「oCPMモデル」等を活用していくことが望ましいとされています。公式アカウントにフォロワーを集めて育成していき、そこからライブコマースやショートムービーコマースといった新しい手法も組み合わせてECや実店舗に誘導し、コンバージョンを図るというエコシステムが構築されてきています。

まとめ

2016年にリリースされたショートムービーSNSのDouyin。中国ではこれまで、タオバオ、Tmall、Weibo等を擁するアリババグループと、WeChat、QQ、JD.com等を擁するテンセントグループの2大陣営が市場を席巻していましたが、バイトダンスがここに割って入る第三極として注目を集め、「新BAT(バイトダンス、アリババ、テンセント)」とも呼ばれ始めています。中国人に向けてマーケティングを行っていく上で、外すことができないプラットフォームとして、今最も注目を集めているSNSと言えるでしょう。

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